ミシマ青空通信 №52
第32回夏季五輪東京大会が終了しました。新型コロナウイルスの影響により一年間の延期を経ての開催は、未だに賛否両論あるものの、大きなトラブルも無く閉幕できたことは何よりです。今大会は、大会前から注目されていた日本人選手の多くが不本意な結果に終わったのに対し、一般には知名度の低かった選手の活躍が目立った大会という印象がありました。中でも、競泳女子の大橋悠依選手と体操男子の橋本大輝選手の2冠は『おみごと』の一言です。特に、落下により決勝進出が叶わなかった内村航平選手の無念を晴らすかのような、橋本大輝選手の鉄棒は圧巻でした。まさに世代交代を目の当たりにした瞬間でした。さらに、卓球混合ダブルスでは、水谷・伊藤ペアが日本卓球界初の金メダルを獲得し、フェンシング男子エペ団体でも初の金メダルを獲得しました。また、今大会から追加された5つの新種目の内、日本ならではの競技であるという理由から追加された『野球/ソフトボール』は、どちらも『金』。同じ理由で追加された空手の『男子形』と『女子形』で、それぞれ『金』と『銀』。さらに、若者に大きくアピールできる競技であるという理由から追加された、スケートボード ・ スポーツクライミング ・ サーフィンの3種目では、『金・銀・銅』を各3個ずつ獲得しました。他にも柔道で9個の『金』を獲得するなど、最終的には金メダルが27個 (総数58個) という結果でした。
このような結果を得られた背景には、これまで厳しい練習を重ねてこられた選手の皆さんの努力もさることながら、大会史上初の無観客による開催とはいえ、コロナ禍と猛暑の中、裏方として活躍された数多くの方々の存在があったことも忘れてはなりません。開催の意志を曲げることなく、成功だけを見据えて努力された皆さんを称賛するとともに、深く敬意を表します。奇しくも閉会式のビジョンに表示された言葉は、『SAYONARA』(1964年)ではなく『ARIGATO』でした。そこには、開催する側と参加する側双方の『感謝の想い』が込められていたように思います。
首都圏営業部 新井山 勲
2021,08,10