ミシマ青空通信

ミシマ青空通信 №49

青空通信202105№49.JPG七十二候の一つで、『かいこおきてくわをはむと読みます。小満の初候で 5/215/25頃に当たり、卵から孵化した食欲旺盛な蚕が盛んに桑の葉を食べ始める頃です。蚕は5000年以上前の中国で、絹糸をとる目的で改良し家畜化されました。蚕が桑の葉を食べる音を「蚕時雨(こしぐれ)」といい、雨が屋根を打つようなその音は真夜中も続いたそうです。蚕のために新鮮な桑の葉を採り続けるこの時期は、田植えとも重なって大忙しで、別名「木の葉採月(このはとりづき)」とも呼ばれます。こうして4度の脱皮を繰り返し、苦労の末生まれた品質の良い「ジャパンシルク」は高値で取り引きされ、かつては世界市場の6割を占めることもあったそうです。

 

旧暦の五月を「皐月(さつき)」と呼ぶことはよく知られています。「皐月」の名前の由来は諸説ありますが、田植えをする月という意味の「早苗月(さなへつき)」を略したというものや、稲を植えることを古語で「さ」と言い、田植えの月ということから「さ」月となったというのもあります。さらに、漢字の「皐」には「神に捧げる稲」という意味があり、「田の神様を奉じて田植えをする」季節を表しているそうです。ちなみに、日本で使われていた「旧暦」は、日本独自に何度も改良された暦で、最後に使われた旧暦は天保暦(てんぽうれき)といい、天保1511(1844218)から明治5122(18721231)まで使われたそうです。

さわやかな新緑の季節、近所の公園を散歩すると、左右から伸びたサクラやケヤキの枝で、遊歩道に緑のトンネルができていました。そこをくぐり抜けると目の前に丈の高い木が現れます。小さな楕円の葉と白い房状の花をたくさん付けたニセアカシア(ハリエンジュ)です。ニセアカシアは北アメリカ原産の外来種で、かつては街路樹や公園用として植栽されましたが、繁殖力が強く本来の植生を乱すなどの理由から、都市部ではあまり見かけなくなりました。本来のアカシアより先に輸入された当初はアカシアと呼ばれていたそうですが、本来のアカシアが輸入されると、区別するためにニセが付いたそうです。生育が早く痩せた土地でも育ち、材が固くゆっくり燃焼して火持ちが良く、ある程度湿っていても燃えるなどの利点から薪炭材としても用いられ、特に寒冷地の暖房用燃料として需要が多かった北海道に多く植えられました。さらに、花からは上質な蜂蜜が採れ、生産量の大半を占める地域もあるようです。かつては、西田佐知子や石原裕次郎、近年ではレミオロメンのヒット曲に登場するアカシアは、すべてこのニセアカシアということです。

  今年も、安全大会及び健康診断は各地区・ 地域で行いますので宜しくお願い致します。

                      

                         首都圏営業部  新井山 勲

2021,05,13