ミシマ青空通信 №48
七十二候の一つで、『あしはじめてしょうず』と読みます。『穀雨』の初候で 4/20~4/24頃に当たり、水辺の葭が芽吹き始める頃です。葭(葦・芦・蘆)の和名は『ヨシ』ですが、これは,『アシ』が『悪し』に通じる忌み言葉で縁起が悪いため、『良し』に言い換えられたのだそうです。その茎は葦簀(よしず)や屋根材に利用され、葉は『ちまき』に利用されるなど、古来よりなじみの深い植物のひとつです。また、葦原は自然浄化作用があり、多くの生物のよりどころとなることから、近年、その価値が再評価されてきているようです。 競泳の東京オリンピック代表選考会を兼ねた第97回日本選手権が、4月10日終了しました。この大会で、マスコミからひときわ注目を集めたのは池江璃花子選手でした。池江選手は今大会4冠を達成し、400メートルメドレーリレーと400メートルリレーのオリンピック代表に内定しました。2年前に白血病と診断され、約10ヶ月間の入院生活を経て退院したのが2019年12月でしたが、退院当時は、本人も2024年のパリ五輪を目標に頑張るつもりだったようです。白血病の抗がん剤治療などにより、一時は約15キロも体重が減った状態から、わずか一年余りでの復活劇は、多くの人々に深い感動と希望を与えました。 池江選手のプロフィールを拝見しますと、水中出産で生まれた彼女は、生後3歳から水泳を始め、5歳の時には、自由形・ 背泳ぎ ・ バタフライ ・平泳ぎのすべてで50メートルを泳ぐことができたそうです。その後、16歳で初出場したリオデジャネイロ五輪の100メートルバタフライで5位に入賞。2017年の第93回日本選手権では、女子史上初の5冠を達成。2018年の第94回には6個の日本記録を更新し、同年の第18回アジア大会では史上初の6冠を達成しました。このように、まさに順風満帆の中、大きな期待とともに東京オリンピックを迎えるはずでしたが、そのオリンピックを目前に控えての試練は、察するに余りあるところです。ところが、彼女はその試練を乗り越えたばかりか、今大会の8日間に及ぶ11レースを経て、闘病前の状態に急速に復活しつつあるようです。池江選手の前向きな努力と活躍は多くの方から称賛され、加えて、関心が薄れつつあるオリンピックの機運を、再び盛り上げることに大いに貢献しました。 1964年の東京オリンピックは、聖火リレーによって人々の関心が一気に高まったようですが、その聖火リレーが、3月25日福島県をスタートし全国を巡っています。まだまだ開催自体に不透明感は残りますが、つつがない開催と、池江選手や他の日本人選手の活躍を心からお祈りしたいと思います。 コロナについては、根負けして気を緩めることなく、ワクチン接種を目標に、もう少しともに頑張りましょう。 3月は無事故でした。 首都圏営業部 新井山 勲
2021,04,12